消えたマンガ家


1977年。彗星のように現れたギャグマンガ「マカロニほうれん荘」を大人買いしました。全9巻。今や誰も知りませんよね?

当時「がき刑事」など人気ギャグマンガが連載されていた中、一気にトップに立った怪物作品です。

小学生だった僕も大好きで抱腹絶倒ってくらい面白かったのを覚えてます。

今読んでも色あせ。。。抱腹絶倒とはいかないけどクスクス笑えるくらいは面白い(笑

お笑いやギャグは時代性が強く反映されるから全く色あせないのは難しいですね。
それでも今読んでも十分笑えます。

内容やら何やらは割愛しちゃいますが、このマンガ家さん。
鴨川つばめと言いますが「消えたマンガ家」としても有名です。
本作が出世作なのですが人気マンガになったプレッシャーと
週刊連載のハードさから精神的に病んでしまい、わずか2年で終了しています。

連載をやめたい。イヤ!人気があるうちはダメだ!と編集部と喧嘩。
最期はマジックペンで描いた手抜き原稿を出して抗議して連載終了に。

当然、終わりのころには絵もあれて内容も失速。
最終回はけっこう暗くギャグマンガとしてはあるまじき終わり方。
小学生ながら残念だったのを覚えてます。

鴨川氏、その後はヒット作に恵まれず風俗のボーイまでやったというから
マンガ商売の大変さをうかがわせます。
やめたい時にやめられず、描きたい時には描けない。
何と苛烈なお仕事でしょう。

しかし、この「マカロニほうれん荘」、連載終了から33年たっても絶版になってません。
版を重ねること46版!!モンスター作品として今も実力を示してます。
そして、その印税は今なお鴨川氏のところに入ってるそうです!

マンガ家ってのは大変ですねぇ。
みんなが藤子不二雄のように長く活躍できるわけじゃありません。
そう思って読むとマカロニほうれん荘にも笑いの中に悲哀すら感じるのでした。