子猫を巡る冒険

先に帰宅した奥さんから急な電話がありました。
「自宅の前に子猫がいるから早く帰ってきて見て。」
???何のこっちゃ?

よく聞くと、マンションに戻ったら子猫が廊下にいてすり寄ってきた。
飼うわけにも行かないので部屋に入るとドアの前でミーミー鳴いてるというわけ。

そんなの水でもかけて追っ払っちゃえば?と僕の無慈悲な返事(笑
繰り返しになりますが、飼うわけには行かないですからね。
「そんなの出来るわけ無いでしょ」と妻。
じゃぁ、もうすぐ家に着くから。と電話を切る。

さて自宅の前につくと子猫はいない。
何だ?どっか行ったのかな?まぁいいや。
と思ったら遠くの廊下の端から、僕を見つけて猛ダッシュで駆け寄ってくる子猫。
どうも他所のお宅の前で鳴いていたらしい。

猛然と僕の足下にやってきたソイツは足に顔をすりすりしてくる。
ぬぅぅぅこやつめ。。。人の心をくすぐる術を知っておる!?
こんなカワイイやつに水などかけられるものか。
抱きかかえたくなる衝動を抑えてどうにか自宅に入る。
すると玄関の前でミーミーと鳴いてる。

どうも帰宅してきた人を追っかけては順番に甘えているらしい。
ミーミーと鳴くその声は、こちらの良心をひどく締め付ける。
うう。玄関を開けてしまいたい。いっそ飼ってしまいたい。

見た目はキレイでどうもどこかの飼い猫のようだし、家はペット禁止だし。
どう考えても飼うわけにはいかない。
心を鬼にして1階の管理人室の前に誘導しました。

僕がエレベーターで1階に行くと勝手に着いてくるので。
そして外に出たら、そこからは着いてこない。
やっぱりマンションが縄張りらしい。

人なつっこさからも飼い猫なのは間違いないです。
一番見つかりやすい場所だし、一番寒くもない場所。
それが僕の精一杯。
その後、妻が見に行ったらもういなかったようです。
飼い主が見つけたのかな?そっと幸せを祈るのでした。